自分では気づきにくい脇のニオイ。デリケートな悩みだからこそ周りにもなかなか相談しにくく、日常的に気になるシーンもたくさんあります。

このページでは、ワキガの症状・原因、日々の対策も含めた治療法や費用などを詳しく紹介しています。病院で医師に相談した方が良さそうか、自分で予防・対策できそうか、ご自身で考えるヒントにしてください。

ワキガの症状

この記事のポイント

  • ワキガとは、脇から強いニオイが発生している状態
  • 日本人の場合、およそ10人に1人の割合で発症
  • デリケートゾーン・乳輪など、脇以外の部位がにおう症状も
  • 脇にタオルを挟んでニオイをチェックすることで、簡単な自己診断ができる
  • 汗腺が発達し始める思春期以降に発症することが多い
ワキガの症状イメージ

ワキガとは、アポクリン腺という汗腺から分泌される汗により、脇から強いニオイが発生している状態を指します。腋臭症(えきしゅうしょう)、アポクリン臭汗症とも呼ばれます。

日本人の場合、軽度なワキガを含みおよそ10人に1人の割合で発症すると言われています。原因となるアポクリン腺の働きが第二次性徴期に活発になるため、思春期ごろに発症する場合が多いです。そのため、近年では大人だけではなくお子様のワキガ治療を行うクリニックも増えています。

また、アポクリン腺は脇・乳輪・外陰部(デリケートゾーン)・耳の中などの特定の部位に分布するため、外陰部からニオイが発生するスソワキガ、乳輪からニオイが発生するチチガといった、脇以外の部位がにおう症状もあります。

ワキガのニオイの特徴

ワキガのニオイの原因になる物質は種類や量に個人差があるため、ニオイも人それぞれになります。脇に薄手のタオルを5分間挟んだ後、そのニオイをチェックすることで簡単な自己診断ができます。

以下のニオイに該当する場合は、ワキガの可能性があります。

  1. 硫黄のようなニオイ
  2. カレーのスパイスのようなニオイ
  3. お酢のような鼻にツンとくるニオイ
  4. 古い雑巾のような生ぐさいニオイ

子供のワキガ

子供のワキガイメージ

ワキガの原因となるアポクリン腺は、第二次性徴期を迎えると発達し始めます。そのため、小学校高学年以上の思春期ごろに発症する場合が多いです。近年はニオイの悩みも低年齢化の傾向にあるため、ワキガが原因で子供がいじめられないか不安に感じた保護者の方が病院を訪れることも増えました。

子供のワキガ治療の場合、手術では身体への負担が大きく体育の授業を休む必要があることなどを考慮し、自由診療で施術時間が短いミラドライやビューホットなどを選ぶ方も増えています。

【エリア別】ワキガ多汗症治療おすすめクリニック

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ワキガの原因

この記事のポイント

  • ワキガのニオイは、アポクリン腺から分泌された汗が表皮で分解されるときに発生する
  • ワキガになる主な原因は、遺伝・性ホルモンの影響・食生活や生活習慣の乱れなど
  • 親がワキガの場合、子どもが発症する確率は50%~80%程度
ワキガの原因イメージ

ワキガは、アポクリン腺という汗腺から分泌される汗が原因で発症します。

人の汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺の2種類があり、エクリン腺は体温調節のために身体全体に広く分布しサラサラした汗を分泌するのに対し、アポクリン腺は老廃物などのタンパク質や毛穴の中の皮脂を含んだベタベタした汗を分泌します。

分泌された汗そのものにニオイはありませんが、この汗が表皮で分解されるときに独特のニオイが発生します。

  • 遺伝

    ワキガは遺伝しやすいため両親がワキガの場合、アポクリン腺の数が多い、アポクリン腺の働きが活発であるといった性質を受け継いでいる可能性が高いです。

    親のどちらかがワキガの場合、子供がワキガを発症する確率は約50%、両親ともにワキガの場合は約80%と言われています。

  • 性ホルモンの影響

    性ホルモンにはアポクリン腺の働きを活発にさせる作用があるため、分泌が活発になる思春期ごろに発症することが多いとされています。

    思春期以前の発症の場合は、食生活や生活習慣などが原因になっていると考えられます。

  • 食生活・生活習慣の乱れ

    油脂の多いファーストフードや肉類などの高カロリー・高脂質の食事は、皮下脂肪がつきやすくなります。その脂肪がワキガの原因になるアポクリン腺の働きを促進させることでニオイの原因につながります。

    さらに、お酒のアルコールやタバコのニコチンの汗腺を刺激する作用や、ストレスを感じたり緊張したときに交感神経の働きで発汗量が増えることもニオイの原因になります。

【エリア別】ワキガ多汗症治療おすすめクリニック

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ワキガかも?セルフチェックシート

この記事のポイント

  • 自分自身の体臭は気がつきにくいため、ワキガの症状は自覚しにくい
  • チェックシートに1つでも当てはまるとワキガであるというわけではない
  • 当てはまる項目が多い場合は、病院でその項目を伝えて相談するとよい
ワキガのセルフチェックイメージ

ワキガの症状が自覚しにくい理由として、ワキガに限らず自分自身の体臭は気がつきにくいということが挙げられます。以下の6つの項目をチェックすることで、簡単な自己診断ができます。

1つでも当てはまるとワキガであるというわけではありませんが、当てはまる項目が多くなるとワキガの可能性も高くなります。心配な方は病院で当てはまった項目を伝えて、相談してみると良いでしょう。

  • 近親者にワキガの人がいる

    遺伝はワキガの発症に深く関わっていると考えられています。親のどちらかがワキガの場合、子供がワキガを発症する確率は約50%、両親ともにワキガの場合は約80%と言われています。

  • 耳垢がベタベタ湿っている

    脇だけでなく、耳の中もワキガの原因となるアポクリン腺が多く分布している箇所です。耳垢がカサカサではなくベタベタと濡れたように湿っている方はアポクリン腺が多いと考えられるため、脇にもアポクリン腺が多いと思われます。

  • 耳の中や脇に毛が多い

    アポクリン汗腺は、毛包と呼ばれる毛根を包む組織の中に分布しています。そのため耳の中や脇の毛の量が多い人はアポクリン腺も多く、ワキガになる可能性があると考えられます。

  • シャツに黄色い汗ジミができる

    アポクリン汗腺から分泌される汗にはリポフスチンという色素が含まれており、これが衣服に残ると黄色いシミになります。アポクリン汗腺の働きが活発な人ほど汗ジミの色も濃くなる傾向があります。

  • 多量飲酒・喫煙の習慣がある

    タバコやお酒に含まれるニコチン・アルコールには汗腺を刺激する作用があるため、過度な飲酒や喫煙がニオイの原因につながる場合があります。

  • 食生活・生活習慣が乱れている

    油脂の多いファーストフードや肉類などの高カロリー・高脂質の食事は、皮脂の分泌を促しワキガの原因となるアポクリン腺を刺激します。また、ストレスや緊張から発汗量が増えることもワキガの原因につながります。

【エリア別】ワキガ多汗症治療おすすめクリニック

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ワキガの治療法

この記事のポイント

  • 症状の度合いや費用によって、治療方法は変わる
  • 予防・対策は、食生活や生活習慣の見直しによるものが多い
  • 軽度のワキガなら一時的に汗の量を抑えるボトックス注射がおすすめ
  • 中度~重度のワキガなら汗腺の組織を破壊するミラドライやビューホット、汗腺を取り除く外科手術がおすすめ
ワキガ治療のイメージ

ワキガのニオイの程度は人によって様々なため、治療法も様々です。軽度であれば、こまめな脇毛の処理や市販の制汗剤・殺菌剤での改善が期待できます。また、食生活や生活習慣を見直すことでニオイの軽減に繋がる場合もあります。

重度の場合は医師と治療方針を決めた上で、施術・外科手術・処方された薬などで治療することになります。保険適用で受けられる治療と自由診療の治療、手術後のダウンタイム(仕事、運動や入浴などが制限される期間)の長さなどを参考に、予算やライフスタイルに合うものを相談すると良いでしょう。

また、医師によって重度のワキガと診断された場合、外科手術を保険適用で受けられる場合もあります。まずは病院で相談してみることをおすすめします。

ワキガの予防・対策

ワキガの発症には遺伝が大きく関わるため完全に予防することは難しいですが、以下のように食生活や生活習慣を見直すことでニオイを軽減することは可能です。

  • 食生活を改善する

    ファーストフードなどの油脂の多い食事や、肉類などの高カロリー・高脂質の食事、牛乳・バターなど乳脂肪分が豊富に含まれる食品はワキガの原因になる場合があります。藻類、梅干し、緑黄色野菜など、アルカリ性の食品を意識的に摂りましょう。

  • 脇が乾燥している状態を保つ

    ニオイのもとになる汗を適切に処理することでニオイを軽減することが可能です。吸水性・通気性のよい下着を選び、汗はこまめに拭き取りましょう。

    また、腋に毛が生えていると細菌の繁殖が活発になるため、処理したほうが良いでしょう。市販の制汗剤で汗の分泌を抑えたり、殺菌剤で脇の細菌の繁殖を抑えることも効果的です。

  • 飲酒・喫煙を控える

    酒のアルコールやタバコのニコチンには汗腺を刺激する作用があるため、控えたほうが良いでしょう。

    また、アルコールやニコチンそのものがニオイ物質でもあるため、汗として体外に排出される際にニオイを発します。

  • 適度な運動の習慣をつける

    汗には毛穴の老廃物を体外に排出する働きがあります。運動不足で汗をあまりかかない生活だと、毛穴の老廃物が排出されずに溜まってしまい、発汗時のニオイの原因になってしまいます。

    汗はニオイの原因ですが、老廃物がたまらないようにこまめに運動をしたほうが良いでしょう。運動後は一時的にニオイが強くなるため、速やかに汗を拭き取り脇の乾燥を保ちましょう。

ワキガを治療するには

予防や対策を行ってもニオイが気になる場合は、皮膚科または形成外科を受診してみたほうが良いでしょう。自覚症状や客観的なニオイの程度によって様々な治療方法がありますが、主に制汗剤や外用薬(塗り薬)の使用、内服薬の使用、外科手術または施術のいずれかに分かれます。

代表的な治療方法の一部を以下に紹介します。

ミラドライイメージ

切らない多汗症・ワキガ治療1番人気!ミラドライ

ミラドライは、患部にマイクロ波を照射することで汗やニオイの原因である汗腺「アポクリン腺」「エクリン腺」の組織を破壊して汗とニオイを抑える治療法です。汗腺そのものを破壊するため、施術後すぐに汗・ニオイの減少を実感できます。また、一度破壊された汗腺は再生しないため、半永久的な効果が期待できます。

皮膚を切らずに治療できるので傷跡が残らず、施術後の通院も基本的に不要です。また、ダウンタイムが短いため施術当日のシャワー、翌日からの入浴が可能で、施術による行動制限が少ないことも大きな特徴です。

自由診療のため、両脇の施術で費用が約30万円~と高額ですが、モニター料金が用意されているクリニックも多くあります。短期間でストレスなくワキガ・多汗症治療がしたい方におすすめです。

ビューホットイメージ

多汗症・スソワキガ・チチガの治療におすすめ!ビューホット

ビューホットは、高周波を放出する極細の針を患部に挿入し、汗やニオイの原因である汗腺「アポクリン腺」「エクリン腺」の組織を熱で破壊する治療法です。特許技術のクーリングで冷却しながらの施術が可能なので、やけどなどの合併症の可能性が少なく、治療中の痛みがほとんどありません。

機器のヘッド部分が小さく作られているため、広い範囲だけでなくピンポイントの施術も 得意です。そのため、ワキガだけでなくスソワキガやチチガの治療にも適しています。

また、施術時間が15~30分程度と短く、ダウンタイムもほぼありません。ミラドライと同様切らない治療のため傷跡は残りませんが、施術後かさぶたができる場合があります。多くの方が1回の治療で効果を実感でき、1~2回の治療で再発の可能性はほぼなくなると言われています。

ボトックス注射イメージ

約10分で施術完了、手軽さNo.1!ボトックス注射

ボトックス注射は、安全なボツリヌス菌の毒素を患部に注射し、発汗を促す神経伝達物質の働きを抑制することで、汗の分泌を抑える治療です。ワキガのニオイは、老廃物や皮脂を含んだ汗が表皮で分解される際に発生するニオイが原因ですが、汗の分泌そのものを抑えることでニオイの発生を防ぎます。

1回の注射で約半年間効果が持続すること、注射のみの治療なので施術が約10分で完了するという手軽さが人気です。また、ワキガだけでなく多汗症においても効果が高い治療のため、ニオイだけでなく汗の量も減らしたい方におすすめです。

注入するボトックス製剤の種類や量(単位)によって費用や効果が変わるため、予算と効果を踏まえて自分にあったものを選ぶことができます。日本では厚生労働省の認可を受けている、アラガン社の製剤「ボトックスビスタ」が主流です。

ワキガ・多汗症の外科手術イメージ

汗腺切除で再発リスク低め!外科手術

ワキガ・多汗症の外科手術は様々な種類がありますが、もっとも一般的な施術は「反転剪除法(皮弁法)」と呼ばれる脇の内側の皮膚を切開してニオイのもとであるアポクリン汗腺とエクリン汗腺を目視で確認しながら切除する施術になります。汗腺そのものを切除するため再発の可能性が低く、医師の診断によっては保険適用で治療することが可能です。

皮膚を切開するため、抜糸などの術後のケアを含め数カ月間通院する必要があります。また、抜糸までの入浴制限や術後数週間の運動制限など、日常生活への影響はもっとも大きい治療法になります。

とはいえ、かつての外科手術に比べると入院の必要もなくなり、傷跡も小さく済む施術が増えました。費用を抑えて治療したい方に特におすすめです。

【エリア別】ワキガ多汗症治療おすすめクリニック

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ワキガ治療にかかる費用

この記事のポイント

  • 両脇の場合、保険診療の外科手術で約3~4万円、自由診療の施術で数万~数十万円程度
  • 保険適用の治療法は外科手術(反転剪除法(皮弁法)・切除法)のみ
  • ミラドライはモニター価格があるクリニックも多く、2~3割引程度の料金で施術を受けられる
ワキガ治療費用お支払いイメージ

ワキガの治療費は施術の種類や部位、病院によって異なりますが、両脇の施術の場合は保険診療の外科手術で数万円、自由診療の施術で数万~数十万円程度になります。自由診療の施術は内容も費用も幅広く、一時的に汗を減らすボトックス注射なら数万円程度、半永久的な効果が期待できるミラドライやビューホットは数十万円の費用が必要です。

自由診療の施術は、病院によってはモニター価格で受けることができます。特にミラドライはモニター価格を先要しているクリニックが多く、およそ2~3割引程度の料金で施術を受けられます。

※ページ内の価格は、全国に展開しているクリニック20院のホームページから平均費用を算出したものになります。

※初診・再診料、麻酔代、お薬代など別途費用が発生する場合があります。

自由診療の治療費

自由診療で受けられるワキガ・多汗症治療は、ミラドライビューホットなど施術後早い段階で効果があらわれて施術時間・ダウンタイムともに短く済むものや、ボトックス注射のように一時的に汗の分泌を抑えるものなど、様々な治療法があります。保険が適用されない分費用は高額ですが、身体の負担や日常生活への影響が少なく済む施術が多くあります。

なお、ボトックス注射は医師によって「重度の原発性腋窩(えきか)多汗症」と診断された場合に限り、保険適用で治療を受けることができます。

ミラドライ
両脇 約280,000円~400,000円(税込 約308,000円~440,000円)
スソワキガ 約270,000円~330,000円(税込 約297,000円~363,000円)
両脇+スソワキガ 約400,000円~450,000円(税込 約440,000円~495,000円)
ビューホット
両脇 約300,000円~(税込 約330,000円~)
スソワキガ 約300,000円~320,000円(税込 約330,000円~352,000円)
ボトックス注射
両脇 約35,000円~(税込 約38,500円~)
スソワキガ 約50,000円~(税込 約55,000円~)

保険診療の治療費

保険適用で受けられるワキガの治療法は、現在の時点では外科手術のみとなります。保険適用の外科手術は、反転剪除法(皮弁法)もしくは切除法の2種があり、いずれもワキガの原因となる汗腺を取り除く手術です。切除法はほぼ確実に完治するものの身体への負担が大きく、現在は取り扱うクリニックも少なくなっています。

なお、多汗症の場合は、「重度の原発性腋窩(えきか)多汗症」と医師に診断された場合のみボトックス注射を保険適用で受けることができます。

反転剪除法(皮弁法)
両脇(自己負担3割の場合) 約41,903円(税込 約46,093円~)
切除法
両脇(自己負担3割の場合) 約33,000円(税込 約36,300円)