ミラドライってどんな治療?
この記事のポイント
- ミラドライとは、マイクロ波で汗腺の組織を破壊するワキガ・多汗症治療
- 施術後すぐに汗・ニオイの減少を実感できる
- 汗腺そのものを破壊するので半永久的な効果が期待できる
- 自由診療のため費用が高額だが、モニター価格を用意しているクリニックも増えている
ミラドライは、患部にマイクロ波を照射することで汗やニオイの原因である汗腺「アポクリン腺」「エクリン腺」の組織を破壊するワキガ・多汗症治療の施術です。汗腺そのものを破壊するため、施術後すぐに汗・ニオイの減少を実感できる、一度破壊された汗腺は再生しないため半永久的な効果が期待できるといったメリットがあります。
施術の際、皮膚の上からマイクロ波を照射するため、患部を切開する必要がありません。これまでの外科手術のような治療のための入院や複数回の通院も必要なく、基本的には1回の施術で治療は完了します。
また、皮膚を切らないためダウンタイムが短く、傷跡はほぼ残りません。日常生活への影響はかなり少なく済む施術と言えます。
デメリットとしては、脇などある程度広い範囲の施術を前提に設計されているため手足の多汗症治療は難しいこと、自由診療のため費用が高額なことなどが挙げられます。
ミラドライの効果はすぐに出る?効果は継続する?
ミラドライには、施術後すぐに効果があるという特徴があります。汗やニオイの原因である汗腺そのものをマイクロ波で破壊することで照射が完了した時点で汗やニオイが減少するためで、多くの場合すぐに効果を実感できます。
ミラドライは、1回の施術でニオイ・汗の量ともにおよそ70~80%程度減少すると言われています。これは1回の施術で破壊できる汗腺が70~80%程度とされているためです。
より確実にニオイや汗の量を抑えたい方向けに、症状が強い箇所に2回・3回と重ねてマイクロ波を照射する「ダブル照射」「トリプル照射」と呼ばれる施術もありますが、本人が汗の量・ニオイをどの程度抑えたいかによって、重ねての照射が適切かどうかは変わってきます。
クリニックによっては、一定の保証期間を設けて、期間内であれば数回施術が受けられる「保証付きプラン」を用意していることもあります。保証期間は1年程度で、施術回数は2回としているクリニックが多いです。
また、一度マイクロ波で破壊された汗腺が再生することはないため、ミラドライの効果は半永久的に継続すると言われています。ワキガ・多汗症治療の中でも再発しにくく、長期的な効果が期待できる治療のひとつです。
ミラドライのメリット・デメリット
ミラドライのメリットとして、施術後すぐに効果があらわれ半永久的な継続が期待できること、ダウンタイムが短く身体的な負担が少ないこと、入院や複数回の通院が必要ないことなどが挙げられます。このため、ミラドライはワキガ・多汗症治療の中でも人気の施術です。
その一方で、自由診療のため費用が高額なこと、施術後一時的に痛み・腫れなどの症状を伴うなどといったデメリットもあります。
どの施術にもそれぞれメリットとデメリットはあるので、予算や施術による日常生活への影響、どの程度症状を改善したいかなど、治療における自分の優先順位を踏まえた上で医師と相談して決めることが大事です。
ミラドライのメリット
- ニオイ・汗の量ともに施術後すぐに効果が実感できる
- 効果が半永久的に継続する
- 皮膚を切らないのでダウンタイムが短く、傷痕がほとんど残らない
- 施術時間が両脇で1時間程度と比較的短い
- 施術当日からシャワーが可能
ミラドライのデメリット
- 自由診療のため費用が高額(両脇の施術でおよそ30万円程度)
- 施術後、一時的に腫れや痛みなどがあらわれる場合がある
- 汗腺が残ってしまった場合や30歳以下で細胞の成長が活発な場合、再び汗やニオイが発生することがある
クリニックによっては、ミラドライはモニター価格で受けることができます。モニター価格の場合、正規の施術料金からおよそ2~3割引程度の価格になっていることが多いです。
また、ミラドライ以外で費用を抑えられるワキガ・多汗症治療としては、ワキガであれば保険適用の外科手術である反転剪除法(皮弁法)や、多汗症なら外用薬(塩化アルミニウム溶液)での治療、保険適用のボトックス注射などがあります。
ただし、外科手術の場合はしばらく安静にする必要があること、外用薬はある程度の期間継続して塗布する必要があるため、日常生活への影響や治療の煩わしさといったデメリットがあります。また、保険適用で治療を受けられるのは、医師の診断で条件が認められた場合に限ります。
ミラドライの施術の痛みについては、施術前の麻酔注射と麻酔が切れた後の患部に感じる方が多いようです。麻酔注射そのものは痛みを伴いますが、その後、徐々に麻酔がきいてくると痛みは和らぎます。
施術後、麻酔が切れてくると痛み・腫れ、脇の違和感などの一時的な副作用があらわれます。これらの副作用は当日の夜~翌日がピークになり、それ以降は徐々に落ち着いてきます。個人差がありますが、腫れ・痛み・脇の違和感は数日~4週間、脇のボコボコ感などは約4~6週間ほどで軽減していきます。
ミラドライは再発する?
ミラドライを受けたあとワキガや多汗症が再発したという話もありますが、ミラドライは1回の施術で70~80%程度の汗腺を破壊し、一度破壊された汗腺は再生しません。施術後にニオイや汗が再発したように感じられるのは、施術で破壊されずに残っていた汗腺が、活発化するためと考えられます。ミラドライに限らず、ワキガ・多汗症治療において一度の施術ですべての汗腺を破壊したり、取り除くことは難しいとされています。
また、施術を受けた患者さんの年齢が30歳以下の場合、細胞の成長が活発で皮膚の組織も成長し続けているため、治療後に新しく成長した汗腺から再び汗やニオイが発生する場合があると言われています。その他、ミラドライの照射の出力が弱すぎたために思っていたような効果が得られなかったという場合もあります。
ミラドライの費用はどのくらいかかる?
この記事のポイント
- 両脇施術の平均費用は約28万円
- モニターでは2~3割引程度の価格が多い(約21万円)
- モニターの場合、アンケートの回答や写真撮影などを求められることがある
- 一定の期間内に2回目の施術が受けられる保証付きプランの平均費用は約40万円
- 一度の施術で2回重ねて照射する「ダブル照射」の場合、費用に約7万円~プラス
ミラドライは自由診療になるため、保険適用外の扱いになります。クリニックやマイクロ波の照射の強さによって価格は変わりますが、1回の施術でおよそ30万円程度が相場になります。1回目の施術後、一定の期間内であれば2回目の施術が受けられる保証付きのプランだとおよそ40万円程度です。
さらに、一度の施術で2回、3回と重ねて照射する「ダブル照射」「トリプル照射」での施術は、上記の料金に加えてダブル照射でおよそ+7万円~、トリプル照射で+10万円~程度の追加費用が必要になります。
しかしながら、ミラドライはクリニックによってはモニター価格で受けることができます。正規の料金からおよそ2~3割引程度の料金になっていることが多く、モニターとしてアンケートの回答や写真撮影などを求められる場合があります。
※ページ内の価格は、全国に展開しているクリニック20院のホームページから平均費用を算出したものになります(2020年11月時点)。
※初診・再診料、麻酔代、お薬代など別途費用が発生する場合があります。
ミラドライ両脇施術平均費用 | |
---|---|
通常価格 | 約279,343円(税込 約307,277円) |
モニター価格 | 約207,500円(税込 約228,250円) |
1年保証付価格 | 約398,666円(税込 約438,532円) |
ダブル照射価格 | +約73,333円(+税込 約80,666円) |
トリプル照射価格 | +約95,000円(+税込 約104,500円) |
ミラドライはこんな方におすすめ
この記事のポイント
- ミラドライは、ワキガ・多汗症治療に時間をかけたくない方に特におすすめ
- 治療よる日常生活の制限を少なくしたい方にもおすすめ
- ミラドライは効果があらわれるまでのスピードと効果が持続する長さがポイント
- 施術費用の高さがネックだが、モニター価格のクリニックも多数ある
費用は高額ですが高い効果が期待できるミラドライは、半永久的な効果を実感したい方、1回の施術でできるだけ汗やニオイの悩みを解決したい方に特におすすめです。
- 費用が高くても効果が長続きしてほしい方
- 腫れや痛みによる日常生活への影響をできるだけ少なくしたい方
- 何回も通院したくない、1回の施術で治療したい方
- 肌に傷痕を残したくない方
ミラドライと他のワキガ・多汗症治療の比較
ワキガ・多汗症治療の主な施術を比較すると、ミラドライは特に効果があらわれるまでのスピードと効果が継続する長さに大きなメリットがある施術と言えるでしょう。
その一方で、施術費用の高さがネックで費用をできるだけ安く抑えたい方には不向きの治療とも言えますが、近年はモニター価格で安く施術が受けられるクリニックも増えてきました。気になる方は、まずクリニックを探して費用を比較してみることをおすすめします。
施術名 | ミラドライ | ビューホット | ボトックス注射 | 外科手術 (反転剪除法) |
---|---|---|---|---|
皮膚切開 | なし | なし | なし | あり |
傷痕 | ほぼなし | ほぼなし | なし | あり |
施術時間 | 約60分 | 約30分 | 約10分 | 約90分 |
治療の痛み | やや弱い | 弱い | 弱い | やや強い |
費用 | 高い | 高い | やや高い | 保険適用の場合は安い |
ダウンタイム | 短い | 短い | ほぼなし | 長い(施術後3日~1週間安静) |
通院回数 | なし | なし | なし | 抜糸等含め3~5回 |
効果があらわれるまでの期間 | 施術直後から | 施術直後~数週間後から | 施術2~3日後から | 施術直後から |
効果が継続する期間 | 半永久的 | 半永久的 | 約6ヶ月 | 半永久的 |
ミラドライでニオイや汗が抑えられるしくみ
この記事のポイント
- マイクロ波で汗腺を熱破壊することでニオイや汗を抑える
- 汗腺にピンポイントでアプローチすることで肌ダメージや痛みを最小限に抑える
- 皮膚表面をクーリングしながら施術し、肌表面を熱から保護する
ミラドライは、電子レンジなどにも用いられているマイクロ波で、ニオイや汗の原因になる汗腺を熱破壊する施術です。マイクロ波には水分に反応して熱を発する働きがあり、これを利用して汗腺以外の正常な組織を傷つけることなく熱破壊します。
施術前に局部麻酔や麻酔クリームを塗布したのち、マイクロ波を照射します。汗腺の水分にピンポイントでアプローチするので、肌ダメージや痛みを最小限に抑えることができます。
また、皮膚の表面をクーリングしながら施術を行うことで、肌表面を熱から保護してヤケドや痛みを防ぎます。
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1. マイクロ波を照射する
ミラドライを患部にあてて、ワキガ・多汗症の原因である汗腺が集中している皮下2~3mmの層にマイクロ波を照射します。
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2. 汗腺を熱破壊する
マイクロ波が表皮・真皮を抵抗なく進んだのち汗腺の下にある皮下脂肪で反射することで、熱エネルギーが汗腺が集中する層に集中します。汗腺は熱破壊されますが、それ以外の組織への影響は最小限に抑える設計です。
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3. 表皮・真皮をクーリングする
マイクロ波照射中は、冷却システムが表皮から真皮にかけての浅い層をクーリングして熱から保護しています。また、脂肪層以下の深い層にも著しいダメージを与えることはありません。